重要ポイント
- 2026年11月3日の米中間選挙で、AIデータセンターの建設規制を問う住民投票が各地で実施されました
- 404 Mediaの集計では、13州40件超の対象のうち38件でデータセンターに反対する結果(集計継続中)
- フロリダ州エッジウォーターでは新規建設を禁止する市憲章改正案が約77%の賛成で可決
- データセンター誘致を進めたテキサス州のアボット知事が知事選で落選するなど、選挙結果にも影響
- 電力・水の消費や地価上昇への懸念が、反対の広がりの背景にあると報じられています
概要
2026年11月3日に行われた米中間選挙に合わせて、AIデータセンターの建設を規制する住民投票や関連する首長選挙が米国各地で行われました。404 Mediaの報道によると、13州で40件を超える関連提案が投票にかけられ、11月4日時点で38件がデータセンターに反対する結果になったと集計されています(集計は継続中)。Semaforも、9州30以上の自治体で規制強化を支持する結果が広がったと伝えています。AI向けデータセンターの急速な建設拡大に対し、住民の間で電力・水消費や環境への懸念が強まっていることがうかがえます。
詳細
各地の住民投票の結果
フロリダ州エッジウォーターでは、新規のデータセンター承認・建設や既存施設の拡張を禁止する市憲章改正案が、約77%の賛成で可決されました。オハイオ州サンベリーでは、最大電力需要が25メガワットを超えるデータセンターの建設を禁止する案が約79%の賛成で可決。同州ペリーでは、税制優遇を受ける大規模事業者に財務上の保証を求める案が約87%の賛成で通りました。カンザス州エンポリアでも、「高影響データセンター」の新規建設を禁止する条例が可決されています。404 Mediaによれば、こうした提案のうち6件は全面禁止、12件は電力使用量そのものに上限を設ける内容だったといいます。一方、ノースダコタ州ハーウッドでは追加審査を義務付ける案が否決されており、規制強化が通らなかった数少ない例として報じられています。
知事選・市長選への影響
住民投票だけでなく、首長選挙の結果にもデータセンター問題が影を落としました。テキサス州では、データセンター誘致を進めてきた共和党のグレッグ・アボット知事が、民主党のジーナ・イノホサ氏に敗れました。404 Mediaは、アボット氏が選挙前に新規許可の「一時停止」を発表したものの、実際には許可が続いていたと指摘しています。ケンタッキー州バーグタウンでは、大規模データセンター計画を承認した市長候補が、反対派の無所属候補に敗北。オクラホマ州ユーコン市では、計画を支持した市長がリコール投票で失職しました。
背景にある懸念
AIモデルの学習・推論需要の拡大を受け、米国各地では大規模データセンターの建設が急増しています。Semaforは、これに伴う電力料金の上昇や水資源の消費、地元の景観への影響が、住民の反対につながっていると報じています。民主党側は130以上の連邦・州知事選で、データセンター反対を掲げた広告を展開したとされ、AI産業の拡大が選挙の争点として定着しつつある様子がうかがえます。
今後の注目点
404 Mediaの集計はなお継続中で、最終的な件数は今後確定していく見通しです。業界団体の調査では、企業側が電力・環境面での負担を明確に約束すれば住民の支持が増える傾向も示されているといい、AI企業や事業者がこうした懸念にどう応えるかが、今後の建設計画の行方を左右しそうです。
出典
- American Voters Overwhelmingly Reject AI Data Centers(404 Media、2026年11月4日)
- US voters roundly reject data centers in ballot measures(Semafor、2026年11月4日)
- 米国の2026年中間選挙でAIデータセンターに反対する住民投票が相次ぎ可決(GIGAZINE、2026年11月5日)




