重要ポイント
- OpenAIが2026年10月、内部のフロンティアモデルが生成した数学論文722本をGitHubで公開
- 約4,000問を評価した中から、一定の重要性を満たすとされた722本に絞り込んだ
- リーマン・ゼータ関数の零点領域に関する研究やホッジ予想など、未解決とされていた問題の証明を主張
- 1件あたり平均約3時間の「ChatGPT Pro」思考モードの計算を使用
- 第三者機関AGMAIは「成果の影響を判断するものではない」と述べ、数学界による検証の必要性を強調
概要
OpenAIは2026年10月、社内のフロンティアモデルに数学の未解決問題を解かせる取り組みの成果として、722本の論文をGitHub上のリポジトリで公開しました。約4,000の問題を評価対象とし、一定の基準を満たしたものを論文としてまとめたとしています。リーマン・ゼータ関数に関する研究やホッジ予想など、長年未解決とされてきた難問の証明を含むと主張していますが、数学の専門家による第三者検証はまだ行われていません。
詳細
公開された内容
公開されたのは、722本の論文(372の「ファミリー」にまとめられています)と、各論文の概要をまとめた資料、個々の論文を探すための目次です。取り上げられている分野は幅広く、円周率(π)の無理数度の研究、マーラー予想、乗法的関数の相関に関する研究などが含まれます。多くの論文には、証明支援システム「Lean」による形式的な検証が付属していますが、ゼータ関数やホッジ予想に関する一部の研究は、通常とは異なる手続きが取られたとされています。
どのように生成されたか
OpenAIによると、1件の結果を得るのに平均して約3時間の「ChatGPT Pro」の思考モード相当の計算を使用したとしています。約4,000の問題を評価対象とし、そこから一定の重要性を満たすと判断された722本に絞り込んだとのことです。
検証体制への指摘
数学とAIに関する助言組織「AGMAI(Advisory Group on Mathematics and Artificial Intelligence)」は、2026年9月29日付けの提言で、使用したモデル名やプロンプト、推論の要約、計算コスト、形式検証の有無などを開示するよう求めていました。今回の公開はこの提言を踏まえたものとされていますが、AGMAIは「社内の非公開モデルだけで問題を評価する手法は支持しない」として、こうしたやり方をやめるよう求めています。また、AGMAIは自らの助言が成果の重要性を判断するものではなく、OpenAIの手法を支持するものでもないと明言し、最終的な評価は数学界が担うべきだとしています。
注意点
今回の722本はいずれもOpenAI社内での評価を経たものであり、外部の数学者による査読・検証はこれから行われる段階です。「リーマン予想に関連する難問の証明」といった大きな主張についても、現時点では企業側の発表にとどまり、数学界で正式に認められたものではない点に注意が必要です。
出典
- OpenAI、社内AIがリーマン予想の関連難問を証明と主張 論文722本をGitHubで公開(ITmedia NEWS、2026年10月7日)
- openai/math(GitHub、OpenAI公式リポジトリ)





