重要ポイント
- Microsoftの研究者が、同社エンジニア数万人を対象にClaude CodeとGitHub Copilot CLIの利用実態を調査した論文を2026年7月1日にarXivで公開
- 調査対象期間は2026年1月5日から4月29日までの4カ月間
- 直属の上司が使っていると試用する確率が82%上昇するなど、周囲の利用状況が導入のきっかけになった
- 導入初週に使った社員は、使わなかった社員に比べプルリクエストのマージ数が平均24%増加し、効果は4カ月間持続
- ITmedia NEWSの記事では、ツール別にClaude Code利用者が約11.4%、Copilot CLI利用者が約24.9%の生産性向上が見られたと紹介されている
概要
2026年7月1日、Microsoftの研究者ら(Emerson Murphy-Hill氏、Jenna Butler氏、Alexandra Savelieva氏)は、自社のソフトウェアエンジニアを対象に、コマンドライン型AIコーディングエージェント「Claude Code」と「GitHub Copilot CLI」の導入効果を調べた論文をarXivで公開しました。2026年1月から4月までの4カ月間、数万人規模のエンジニアの利用状況と成果を追跡した内容です。ITmedia NEWSが2026年10月16日、論文の詳細を日本語で紹介しています。
詳細
利用が広がったきっかけ
論文によると、ツールを初めて試すかどうかは、社内の人間関係に大きく影響されていました。上司の上司を共有する同僚のうち4分の1以上が直近2週間に使っていた場合、本人が試す確率は最大216%上昇しました。直属の上司が使っている場合は82%、コードレビューの相手の4分の1以上が使っている場合は54%、それぞれ試用の確率が上昇したとしています。
継続利用と定着
一度試した後に使い続けるかどうかは、個人の属性よりも、普段のコーディング活動量との関連が強いことが分かりました。普段からコードを多く書き、プルリクエストを頻繁に出す人ほど、ツールを継続して使う傾向がありました。一方、別のAIツールを既に使っていた人は、新しいツールを試しても定着しにくい結果でした。
生産性への効果
導入初週にツールを使ったエンジニアは、使わなかったエンジニアと比べて、マージされたプルリクエスト数が平均24%増加しました。この効果は4カ月間の観察期間を通じて安定して続いたとしています。ただし論文の著者らは、プルリクエストのマージ数を成果の指標として使っており、マージ数が実際の価値(コードの品質や重要度など)と同一ではないことも認めています。
ツール別の違い
ITmedia NEWSの記事では、ツール別の生産性向上の数字として、Claude Code利用者は約11.4%、Copilot CLI利用者は約24.9%という結果が紹介されています。論文の著者らは、これらのツールが一様に採用されるわけでも、一時的な物珍しさにすぎないわけでもないと結論づけ、組織が導入戦略を立てる際には、同僚の利用状況を可視化することを中心に据えるべきだと提言しています。




