重要ポイント
- フランスのMistral AIが2026年10月6日、新しい大規模言語モデル「Mistral Large 4」を公開しました。
- 総パラメータ数は1兆、実際の計算に使われる(アクティブ)パラメータは490億の、複数の専門家モデルを組み合わせる「MoE」方式です。
- 脆弱性の再現・修正タスクで82%のスコアを記録するなど、サイバーセキュリティ関連の評価で上位に入りました。
- 料金は入力100万トークンあたり1.36ドル、出力は4.18ドルです。
- 現在はMistral Studioでプレビュー利用が可能で、モデルの重みそのものは2026年10月末に公開される予定です。
概要
フランスのAI企業Mistral AIは2026年10月6日、新しい大規模言語モデル「Mistral Large 4」を公開しました。社内では愛称として「le Chonk」と呼ばれているとのことです。文章だけでなく画像も扱える「マルチモーダル」設計で、160以上の言語に対応し、欧州連合(EU)の公式言語はすべて含まれています。欧州にある自社のデータセンターで学習された、欧州発のオープンウェイトモデルという位置づけです。
詳細
学習基盤
Mistral Large 4は、NVIDIAのGrace Blackwell GPUを3,800基用いて、欧州にある自社データセンターで学習されました。モデル全体では1兆のパラメータを持ちますが、1回の計算で実際に動くのはそのうち490億分だけという「MoE(混合エキスパート)」という仕組みを採用しており、大きなモデルでありながら計算コストを抑えられる設計です。
コーディングとセキュリティで高成績
Mistralの発表によると、ソフトウェアの不具合を直すコーディング能力を測る「DeepSWE v1.1」で61.7%、「SWE-Atlas-QnA」で59.4%を記録しました。サイバーセキュリティ分野では、セキュリティ競技形式の問題を集めた「Cybench」で93%、ソフトウェアの脆弱性を再現・修正するタスクで82%を記録し、分析会社Artificial Analysisのサイバー関連指標で世界上位5位以内に入ったとしています。
GPT-6-Astraとの比較
Mistralは、画像内の対象物を正確に捉える「視覚的グラウンディング」の評価「Dense 200」で、Mistral Large 4が42%、OpenAIの「GPT-6-Astra」が41%だったと説明しています。また、金融・法律分野の評価でもGPT-6-Astraを上回ったとしています。脆弱性の再現タスクについては、GPT-6-AstraやAnthropicの「Claude Opus 5.5」は安全上のフィルターによりほぼ0%にとどまったのに対し、Mistral Large 4は82%を記録したとMistralは述べています。ただし、これらはMistral自身が公開した評価であり、独立した第三者による検証結果は確認できていません。
料金と提供方法、安全性の確認
利用料金は、入力100万トークンあたり1.36ドル、出力100万トークンあたり4.18ドルです。現在はMistral Studio上でのプレビュー利用ができる段階で、モデルの重み自体は2026年10月末に公開される予定です。プレビュー期間中は、サイバーセキュリティの専門家や各国当局と連携した「レッドチーム」による検証が進められているとMistralは説明しています。
出典
- Introducing Mistral Large 4(Mistral AI、2026年10月6日)



