重要ポイント
- Anthropicの脆弱性発見AI「Mythos」が、Rejetto HTTP File Serverの認証バイパスの欠陥を発見
- 脆弱性は「CVE-2026-61500」として公開され、発見者はHorizon3社の研究者ザック・ハンリー氏
- 原因は、セッションクッキーの署名に使われた乱数生成アルゴリズムの予測可能性
- CVE公開の翌日には、中国のホストから米国・日本のサーバーを狙う攻撃が確認された
- Mythosとパートナー向けプログラム「Project Glasswing」は、これまでに286件のCVEを発見済み(2026年10月2日時点)
概要
2026年10月3日、英メディアThe Registerは、Anthropicのバグ発見特化AI「Mythos」が発見した脆弱性が、公開からわずか1日で実際の攻撃に悪用された経緯を報じました。対象はファイル共有ソフト「Rejetto HTTP File Server(HFS)」の認証バイパスの欠陥で、Mythosを使った研究者がセッション管理の仕組みの不備を突き止めたことで発覚しました。発見から悪用までの速さは、AIによる脆弱性発見が攻撃者側の行動も加速させている可能性を示しています。
詳細
Mythosと「Project Glasswing」とは
Mythosは、Anthropicが開発したセキュリティ・脆弱性発見に特化したAIです。「一般公開するには強力すぎる」と判断され、選ばれたパートナー企業のみが利用できるプログラム「Project Glasswing」の枠組みで提供されています。今回Mythosを使って脆弱性を発見したのは、セキュリティ企業Horizon3の研究者ザック・ハンリー氏で、同社は2026年7月からこのプログラムに参加しています。
発見した脆弱性の仕組み
今回発見されたのは、Rejetto HFSの認証バイパスの欠陥(CVE-2026-61500)です。HFSはセッションのクッキーに署名するための鍵を、JavaScriptエンジンV8の「Math.random()」が生成する値から導き出していました。この乱数生成アルゴリズム(xorshift128+)は暗号用途には安全ではなく、Mythosは出力の一部が別の経路から漏れていれば鍵を逆算できる、と結論づけました。この仕組みを悪用されると、攻撃者は管理者権限を奪い、リモートでコードを実行できてしまうおそれがあります。
公開翌日に悪用
脆弱性情報が水曜日に公開されると、翌木曜の夜には、脆弱性監視企業VulnCheckの研究者パトリック・ギャリティ氏がCVE-2026-61500の悪用を検知しました。中国のホストから、米国と日本の実在する脆弱なサーバーが標的にされていたといいます。その後、米国内の2つのプロキシ経由でも4件の攻撃が確認されました。
これまでの実績
記事によると、MythosおよびProject Glasswingには、2026年10月2日時点で286件のCVEが功績として記録されています。そのうち実際に悪用が確認されたのは、今回のケースを含めて少数にとどまるとされています。AIによる脆弱性の発見が広がる一方で、発見から悪用までのスピードをどう管理するかが今後の課題になりそうです。





